アニメ『君の膵臓をたべたい』は、真実と日常を少しだけ書き換えた

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アニメ映画『君の膵臓をたべたい』をネタバレ・あらすじ・見所などをわかりやすく解説します。

アニメ映画『君の膵臓をたべたい』公式リンク

劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」Blu-ray&DVD2019年4月発売!
原作累計260万部突破の大ヒット小説 待望の劇場アニメ化!衝撃的なタイトルから予測できない「僕」と桜良の儚い物語が劇場アニメーション映画として全国公開。劇場アニメ『キミスイ』Blu-ray&DVD発売決定!

本作品は、『住野よる』さんの小説『君の膵臓をたべたい』をもとにアニメ化。

アニメならではの繊細なタッチで主人公『僕』とヒロイン『山内桜良』の儚くも美しく心のふれあいを描いている。

アニメ『君の膵臓をたべたい』ストーリー・あらすじ

他人に興味を持たず、ひとりで本を読んでいる高校生の『僕』は、病院の待合室で手書きの『共病文庫』と題された文庫本を拾う。

その本は、天真爛漫なクラスの人気者・山内桜良が密かに綴った日記帳だった。

桜良は膵臓の病気で余命いくばくもないこと僕にを告げのだが・・・・。

ここから先はあらすじネタバレ若干ありですのでご注意ください。

アニメ版『君の膵臓をたべたい』実写映画版との違いは?

『君の膵臓をたべたい』は、実写映画版(2017年)とアニメ映画版(2018年)があります。

アニメ版と実写版はどう違いか、それはストーリーが違います。

両方見た私としては、アニメ見てから実写の順番が良いかと思います。

先ほど『ストーリーが違う』と書きましたが、違いが大きのは『構成』です。

アニメ版の『君の膵臓をたべたい』の方が小説に合わせてありますね。

その後で実写版『君の膵臓をたべたい』を見ても納得の仕上がりだったかと思います。

アニメ版、実写版もそれぞれの『表現の長所』を最大限発揮するための構成を意識して作ったなぁと伝わってきます。

私としてはアニメ版の方が『僕』の気持ちが伝わってきたと思いますし、実写版は、結末をうまく持ってきたような気がします。

アニメ版は、実写版とは違いヒロインの死後がしっかりと描かれています。

実写化やアニメ化で作品としての良し悪しを比べることも多々あると思いますが、

実写映画版『君の膵臓をたべたい』では、『僕』とヒロイン『山内桜良』を圧倒的なリアリティーで描けているのに対し

アニメ映画版『君の膵臓をたべたい』では、見た人の想像する『余韻』を最大限生かした作品となっていると思います。

『君の膵臓をたべたい』のココがすごい!『住野よる』の小説!

『世界の中心で、愛をさけぶ』(アニメ中にそれを意識してる?背景がありましたね)

『いま、会いに行きます』

『4月は君の嘘』など

多くの感動をよんできたどの作品も最後は病気でなくなってしまいます。

しかし、この作品は違います。

最後には、『病気』で亡くなってしまうというストーリーに大きな風穴を開けたと思います。

この作品を見た人は、膵臓を病んで幾ばくもないヒロインが必死に日常を輝かせている中で、『なぜ?』と思うと思います。

ただ、それこそが私たちの『日常』であることを強烈に思い出させてくれるのです。

読者や視聴者に『日常の儚さ』をこれほど伝えた作品はなかったと思います。

「君だけは真実と日常を与えてくれる」ヒロイン桜良のこのセリフが作品の全てかもしれない

私たちの日常には、常に真実が付きまといます。

真実こそが日常で、日常は真実なわです。

しかし、ヒロイン桜良の周りではそうでありません。

真実と日常は大きくかけ離れ共存することは難しいのです。

「君だけは真実と日常を与えてくれる」

彼女にとって『僕』は、真実と日常が共生する唯一の存在となってしまったわけです。

「僕は君の思う様な人間じゃないよ」僕は日常を持ち合わせていなかった

『僕』は、本を一人読みふけり周りを俯瞰で眺め、友達もいません。

それが主人公『僕』自身の真実です。

だから『僕』はしきりに呟きます。

 

「僕は君の思う様な人間じゃないよ」

『僕』には僕自身の日常がなかったのです。

 

「ぼくみたいな人間が人と関わるべきではなかったんだ」

「本気で君のことを思っている人といるべきだ!」

物語のなかで『僕』の中の真実が日常を押しつぶそうとします。

『桜良』の日常が本当に尊いものだということを

『僕』の日常ではとても補いきれないものだということ

改めて思い知らされてしまします。

重要キャラクター 『ガム君』 彼の必要性

友達のいない『僕』に唯一話しかける男子生徒、それが『ガム君』です。

ひょうひょうと現れる存在で、彼自身に友達がいないわけでもありません。

『僕』の日常は、『ガム君』によって『桜良』がいなくなった後も続いていきます。

『桜良』によって芽吹くことができた『僕』の日常は、『ガム君』によって保管され続いていくのです。

アニメ『君の膵臓をたべたい』は、見た人の真実と日常を少しだけ書き換えた

アニメ版『君の膵臓をたべたい』は、主人公『僕』心の描写に重きを置いて編集されています。

物語りは、初期の新海誠監督作品のように『僕』自身のナレーションベースで進行していきます。

アニメーションで描くことの良さが全面にでた作品だったと思います。

『ヒロインの死』という大きな要素が実写映画では構成上のバランスの中で難しかったのかもしれません。

ただ、この小説の見所の一つは、僕の日常の変化だと思います。

膵臓を病み余命幾ばくもないヒロインによって救われていく、主人公『僕』の日常と『僕』を通して最後まで日常を味わうことができたヒロイン、双方の救いがとてもバランスよく描けていたと思います。

僕の日常はヒロインが亡くなった後も続くっということがアニメ版ではしっかりと描かれています。

私たちの現実は、真実と日常が絶妙なバランスで常にあります。

しかし、そのバランスは真実の比重が変わると脆く崩れてしまうのです。

アニメ『君の膵臓をたべたい』は、私の真実と日常を少しだけ書き換えたのでした。

アニメ『君の膵臓をたべたい』主題歌・挿入歌

オープニングテーマ:sumika「ファンファーレ」(ソニー・ミュージックレコーズ)
主題歌:sumika「春夏秋冬」(ソニー・ミュージックレコーズ)
挿入歌 : sumika「秘密 (movie ver.)」(ソニー・ミュージックレコーズ)

アニメ『君の膵臓をたべたい』キャラクター・声優

ウィキペディア(Wikipedia)より引用

「僕」 / 志賀春樹 – 高杉真宙

山内桜良 – Lynn

滝本恭子 – 藤井ゆきよ

隆弘 – 内田雄馬

ガム君 – 福島潤

「僕」の母 – 田中敦子

「僕」の父 – 三木眞一郎

桜良の母 – 和久井映見

アニメ『君の膵臓をたべたい』スタッフ

ウィキペディア(Wikipedia)より引用

原作:住野よる『君の膵臓をたべたい』(双葉社刊)
原作イラスト:loundraw
監督・脚本:牛嶋新一郎
音楽:世武裕子

キャラクターデザイン・総作画監督:岡勇一
美術監督:小川友佳子
美術監督補佐:渡辺佳人
色彩設計:堀川佳典
撮影監修:斉藤寛
撮影監督:小池真由子
3DCG監督:岸これみ
編集:神宮司由美
音響監督:はたしょう二
音響効果:出雲範子
プロデューサー:高橋祐馬、柏田真一郎
アニメーションプロデューサー:三田圭志
配給・企画販売:アニプレックス[52]
アニメーション制作:スタジオヴォルン
製作:君の膵臓をたべたい アニメフィルムパートナーズ(アニプレックス、双葉社、ABCアニメーション、ジェイアール東日本企画、トーハン、朝日新聞社)

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